日本大腸肛門病学会雑誌
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VI. 外科的手術とその遠隔成績
高木 幸一藤好 建史藤本 直幸藤吉 学前川 忠康吉田 敏毅江藤 公則副島 真一郎藤本 正明菊池 隆一高野 正博辻 順行
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1992 年 45 巻 8 号 p. 1098-1106

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抄録

Crohn病にともなう肛門病変に対する外科的療法の有用性を明らかにする目的で,86例の手術症例の長期治療成績について検討を行った.痔瘻,肛門周囲膿瘍71例の初回手術による根治率は61%であった.再手術後の根治率は75%,再々手術の根治率は50%であった.裂肛,肛門狭窄,潰瘍,スキンタグ症例に対してはそれぞれ4例,1例,2例,1例に手術が行われ再発症例はなかった.直腸腟瘻では3例に手術が行われ,1例が再発し再手術によ'り根治した.以上の結果からCrohn病に伴う肛門合併症に対する外科的治療は有用であると考えられた.Crohn病の肛門合併症に対しては,活動性の腸病変が存在する場合は,まず腸病変の鎮静化を行い,これにより肛門病変の変化を観察する.そして保存療法によって病変および症状の改善が認められない場合には外科的治療の検討を行い肛門病変の詳細な評価のもと根治性の高い手術術式を選択すべきであると考えられる.

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