日本大腸肛門病学会雑誌
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親子に発症した潰瘍性大腸炎症例
HLA抗原との関連について
赤木 盛久田中 信治吉原 正治山中 秀彦田利 晶春間 賢隅井 浩治岸本 眞也梶山 梧朗竹末 芳生横山 隆
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1993 年 46 巻 6 号 p. 787-792

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抄録

比較的高齢で発症した親子の潰瘍性大腸炎を経験したので文献的考察を加え報告する.息子は39歳で発症,全大腸炎型の重症で薬物療法が無効のため全結腸切除を施行した.父は69歳で発症,左側結腸炎型の中等症で薬物療法により軽快した.HLA抗原の検索では本邦の潰瘍性大腸炎患者と相関の認められるhaplotype A24,B52,DR2,DQ6(1)をともに有しており,本症の発症に免疫遺伝的因子が関与していることが示唆された.またこれまでの家族内発症の平均年齢は30歳前後とされていることより,本例は稀な症例と考えられた.

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