日本大腸肛門病学会雑誌
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潰瘍性大腸炎の癌化例におけるras系遺伝子点突然変異とp21蛋白質発現の検討
津田 倫樹
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47 巻 (1994) 4 号 p. 315-323

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抄録

潰瘍性大腸炎からの発癌におけるras系遺伝子点突然変異の関与を検討するとともに,遺伝子産物の発現との関連を検討した.潰瘍性大腸炎に癌を合併した13例を対象とし,このうち12例に癌の周辺部にdysplasia病変を認めた,ras系遺伝子点突然変異の検出にはPCR法,dot blot hybridization法を用い,ras遺伝子産物の発現にはp21蛋白質に対する単クローン抗体を用いたStreptABC法により検討した.その結果,ras系遺伝子点突然変異が認められたのは1例のみで,c-Ki-rascodon12にGGTよりGATへの変異が検出された.p21蛋白質の過剰発現は,11例にみられた.以上の点より,潰瘍性大腸炎からの発癌におけるras系遺伝子点突然変異の関与は少なく,ras遺伝子産物の過剰発現が必ずしも点突然変異を伴っているものではないことが示唆された,

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