日本大腸肛門病学会雑誌
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ポリペクトミー後根治手術を行った直腸カルチノイドの1例
馬場 理也石原 伸一舛井 秀宣松尾 憲一Y. Ichikawa山口 茂樹池 秀之大木 繁男嶋田 紘北村 均瀧本 篤関澤 良行
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1996 年 49 巻 2 号 p. 144-148

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抄録

症例は50歳, 女性.便秘を主訴に近医を受診したところ大腸内視鏡にて肛門縁より4cmの直腸右壁に26×18×15mmのIsp様ポリープを認めたためポリペクトミーを施行された.病理組織診断は深達度smのカルチノイドであった.当科で行われたEUS, CT, MRIにより直腸傍リンパ節 (251) と中直腸根リンパ節 (262) の転移が陽性と診断したため右内腸骨動静脈合併切除を伴う超低位前方切除術, D3リンパ節郭清, 予防的肝動注カテーテル挿入術を施行した.術後組織診断はsmに遺残を認めた混合型カルチノイドで, 251および262リンパ節に転移を認めた.直径2cm以上の直腸カルチノイドはリンパ節転移の可能性が高く, 進行直腸癌に準じた広範な郭清術が必要である.そのため, 術前に充分な画像診断を行うことが重要と思われた.

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