日本大腸肛門病学会雑誌
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大動脈周囲リンパ節転移の実態 第44回大腸癌研究会アンケート調査報告
正木 忠彦武藤 徹一郎安富 正幸
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1997 年 50 巻 5 号 p. 318-330

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抄録

253番ないし216番リンパ節転移陽性のS状結腸癌と直腸癌の,臨床病理学的特徴と旁大動脈リンパ節郭清の意義を明らかにする目的で,大腸癌研究会に所属する全国107施設にアンケート調査を行った.労大動脈リンパ節郭清は全体の4分の3の施設で行われていた.ほとんどの場合下腹神経は切除されていた.253番ないし216番リンパ節転移症例は,壁深達度が深く,低分化腺癌・粘液癌・印環細胞癌の頻度が高く,腹膜播種,肝転移,遠隔転移を伴うことが多く,治癒切除の困難な症例であった.旁大動脈リンパ節郭清による予後の改善は,S状結腸癌216番転移陽性例にのみ認められると考えられた.これらの症例における旁大動脈リンパ節郭清の意義を明らかにするには,今後prospective randomized trialが必要であると考えられた.

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