日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸腺腫の癌化過程におけるbcl-2遺伝子, p53遺伝子発現, およびアポトーシスの検討
高野 ゆり
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52 巻 (1999) 5 号 p. 387-393

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抄録

大腸腺腫の癌化過程におけるbcl-2遺伝子, p53遺伝子の発現およびアポトーシスとの関連性について腺腫, 腺腫内癌腺腫部, 癌部を対象として比較検討した.bcl-2遺伝子と, P53遺伝子発現はLSAB法により検討し, アポトーシスはHE染色とTUNEL法によりapoptotic index (AI) を用いて評価した.bc1-2遺伝子発現は腺腫37.9%, 腺腫部45.0%, 癌部10.0%と癌部において有意に低率であり, 腺腫の異型度別検討では軽度異型腺腫14.2%, 中等度異型腺腫35.3%, 高度異型腺腫66.7%であった.p53遺伝子発現は腺腫16.2%, 腺腫部20.0%, 癌部75.0%と癌部において有意に高率であった.一方, AIは腺腫5.89±2.37, 腺腫部5.07±2.75, 癌部2.17±0.88であった.bcl-2遺伝子発現率とp53遺伝子発現率は癌部において逆相関を認め, 変異型p53遺伝子によるアポトーシス抑制作用が癌化の一つの要因であることが示された.

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