日本大腸肛門病学会雑誌
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X線所見の経時的変化を観察しえた虚血性小腸炎の1例
萩本 龍伸王寺 恒治中田 和孝瀬尾 充岡田 光男冨田 昌良山田 豊岩下 明徳
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1999 年 52 巻 6 号 p. 505-511

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抄録

症例は74歳, 女性.2週間前に突然, 腹痛・嘔吐が出現し, 症状持続するため, 5月7日当院入院.小腸X線検査で回腸に求心性の管状狭窄を区域性に認めた.狭窄症状は改善せず, また2回目の小腸X線検査においても狭窄がさらに進行していたため, 回腸部分切除術を施行.切除標本は全周性の狭窄, 壁の肥厚を区域性に認め, 組織学的には全周性にUI-IIの潰瘍と著明な線維化, 担鉄細胞の出現を多数認め, 病理組織学的にも虚血性小腸炎に合致した.本邦における虚血性小腸炎の報告は少なく, 従来の報告例を集計しその臨床像の特徴を明らかにした.

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