日本大腸肛門病学会雑誌
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3. 細菌による感染性大腸炎
藤沼 澄夫酒井 義浩
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2001 年 54 巻 10 号 p. 939-944

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抄録

細菌による感染性大腸炎は多種多様なものがあり,その中で最近注目されている病原性大腸菌腸炎,MRSA腸炎,キャンピロバクター腸炎,腸結核について,その背景,症状,内視鏡所見,診断を概説した.病原性大腸菌は5群に大別され,特にO157は集団発生や重篤化が社会的問題となった.早期診断上,内視鏡は重要であり,深部大腸の出血性粘膜,浮腫,縦走潰瘍が特徴的所見である.MRSA腸炎は術後感染症以外でも,免疫力が低下している患者にも発症し,内視鏡所見は右半結腸~回腸末端に膿苔を伴う潰瘍性病変を示し,重症例では深い潰瘍となる.キャンピロバクター腸炎はほとんどがC.jejuniが起因菌であり,内視鏡所見は大腸全体に粘膜の発赤,出血,びらん,多発する大小の発赤斑であり,高率に回盲弁上の潰瘍を呈する.腸結核は1996年以降再び増加傾向にあり,特に高齢者に著しい.最近は肺に病巣のない孤在性腸結核として発症することの方が多く,典型的な症状がなく不明熱として発症することもあり注意を要する.

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