日本大腸肛門病学会雑誌
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4. ウィルス/原虫による感染性大腸炎(CMVも含む)
中嶋 均
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2001 年 54 巻 10 号 p. 945-949

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抄録

ウィルスや寄生虫感染は感染性腸炎の主要な病因のひとつである.本稿では病原性が明らかにされているウィルス,寄生虫感染症に関して述べることにする.ヒトに病原性のある寄生虫としては,赤痢アメーバ,日本住血吸虫,クリプトスポリジウム,糞線虫,ランブル鞭毛虫などが知られている.日本住血吸虫は甲府地方など地域限定の風土病として有名である.国内では新たな感染は無いとされているが,最近本症による腸管病変の報告がありそれらは遷延感染,邦人の海外での感染,感染異国人などである.住血吸虫感染症は再興感染症として忘れてはならない疾患である.赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫,糞線虫感染は主としてエイズや同性愛者における感染症として重要である.
ウィルス感染症も細菌感染ばかりでなく忘れてはならないものである.サイトメガロウィルスはしばしば腸管に打ち抜き様潰瘍やびらんを形成することがあり,大腸は主要な罹患部位である.カポジ肉腫はヒトヘルペスウィルス8の感染が原因として考えられているが,大多数はエイズ患者での発症である.他に感染性腸炎を惹起するウィルスとしてはロタウィルス,アデノウィルス,アストロウィルス,カリシウィルス,アイチウィルス,コロナウィルスなどが知られている.これらのウィルスが確実に大腸に病変を形成するという確証はえられていないが,感染性腸炎の鑑別診断では大切である.

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