日本大腸肛門病学会雑誌
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直腸肛門部悪性黒色腫の2例
照屋 剛宮里 浩与儀 実津夫
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2001 年 54 巻 2 号 p. 100-104

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抄録

直腸肛門部悪性黒色腫はまれで,早期に血行性やリンパ行性転移を来しやすく予後不良である.今回,本疾患2例について報告する.症例1は68歳・女性,排便時の肛門痛を主訴に,症例2は69歳・女性,排便時の出血にて当院を受診した.2症例とも直腸後壁に隆起性病変を触知し,生検で悪性黒色腫と診断された.術前に遠隔転移や鼠径リンパ節への転移は認めず,腹会陰式直腸切断術を行った.症例1は術後にDAV療法を行ったが,手術から2年後に肺転移と腹腔内再発をきたし死亡した.症例2は希望により術後の化学療法は施行せずに経過観察を行った.初回手術から2年後に急性胆嚢炎を発症し,開腹下胆嚢摘出術を行ったところ悪性黒色腫の胆嚢転移と診断された.その後,脳や肺転移を来し,初回手術から3年後に死の転帰をとった.

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