2001 年 54 巻 5 号 p. 317-322
Dextran sulfate sodium と azoxymethane によるマウス大腸発癌テデルに対してcyclooxygenase-2 (COX-2) 選択的阻害剤 nimesulide (NIM) を投与し, 大腸腫瘍発生抑制効果とその機序について検討した. 大腸腫瘍が発生した個体別腫瘍発生数, aberrant cryptfoci 数およびCOX-2陽性率はNIM投与群において非投与群に比して有意に低値であり, さらにCOX-2発現度はNIM用量依存性に減少する傾向を示した. またapoptosis indexにおいてNIM投与群は非投与群に比して有意に高値であった. NIMはマウス慢性大腸炎の癌化モデルにおいて大腸腫瘍の発生を有意に抑制し, その機序の一つとしてapoptosis亢進作用が考えられた.