日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
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下血を契機に発見された回腸重複腸管の一例
本邦報告例の検討を含めて
星 加奈子大田 貢由金村 栄秀小金井 一隆高橋 正純鬼頭 文彦福島 恒男
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2002 年 55 巻 1 号 p. 43-46

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抄録

症例は50歳男性.下血・腹痛を主訴に当院消化器科を受診,上部・下部消化管内視鏡検査,注腸造影検査で明らかな出血性病変は認めず,小腸造影で回腸に突出する腸管が描出され,重複腸管が疑われた.重複腸管からの出血と診断し,手術を施行した.術中所見では,回盲部より約45cm口側の回腸に7×65cmの球状型の重複腸管を認め,頚部で切除した.切除標本では頚部に潰瘍を認め,出血源と思われたが,組織学的に異所性胃粘膜は認めなかった.
重複腸管は本邦では約400例(1949~2000)の報告例があるが,約65%が幼児期に発症しており,成人では少ない.出血例の多くは異所性胃粘膜を有しており,本症例のように異所性胃粘膜の存在しない重複腸管からの出血の報告例は極めて稀であり,若干の文献的考察を加えて報告した.

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