日本大腸肛門病学会雑誌
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3.病態を見極めた骨盤直腸窩痔瘻の手術
高野 正博
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55 巻 (2002) 10 号 p. 811-817

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抄録

骨盤直腸窩痔瘻は最も難治性の痔瘻である.再発を防ぎ,他のタイプの痔瘻並みに良好な成績を得るには,その特徴を熟知した上で原則的な病態を押さえ,指診やMRIにより正確な診断を個々の症例で行うことが重要である.手術は括約筋温存術を採用し,原発口,原発膿瘍,仙骨前に至る瘻管,直腸穿孔,2次瘻管などの複雑な病変の処理を余すところなく丁寧に行い,必要に応じて十分なドレナージ形成と筋肉充填を行う.現在のところ,再発率を15.3%に押さえているが,同じIV型で再発することが17例中9例と多く,再手術に当たっては上記の主病変部のさらに十分な処置が必要で,再度確実な処理を行う.初回手術をさらに丁寧に行うことによって再発率を下げることは十分可能であると考える.なお癌化,結核によるものなど特殊な例もあるので注意を要する.

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