日本大腸肛門病学会雑誌
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直腸癌手術後にストーマ造設部位に再発をきたした1例
伊藤 暢宏金光 泰石鈴村 和義野浪 敏明
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2004 年 57 巻 5 号 p. 261-266

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抄録

症例は60歳男性.1999年3月,直腸癌(Rb)の診断で,経仙骨腹式直腸切断術D3を施行した.病理結果は,中分化腺癌,a1,v0,ly0,n1(+),stageIIIaであった.術後5カ月で仙骨前面に再発を来し,外来で,化学療法,放射線療法を施行した.術後19カ月後にS状結腸ストーマ周囲の皮下に硬結を認め,生検にて再発と診断した.腫瘍を切除し,右側にストーマを再建した.直腸癌術後のストーマ造設部に癌が発生することは稀である.その原因としては,異時性多発大腸癌,腹膜播種再発のストーマ近傍への浸潤,術中操作によるimplantation,血行性転移などが考えられる.自験例の再発腫瘍は腸管外であり,腹膜播種の所見も認められず,術中操作によるimplantationの可能性が高いと考えられた.Implantationが原因と考えられるストーマ造設部再発の報告は3例のみであり文献的考察を加えて報告する.

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