日本大腸肛門病学会雑誌
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切除痔核組織に対する各種レーザーの効果と特徴
宇都宮 高賢柴田 興彦菊田 信一濱田 映堀地 義広
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2004 年 57 巻 8 号 p. 435-444

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抄録

痔核手術で得られたヒト痔核組織に対し,炭酸ガス(CO2)レーザー,Ne : YAG(ヤグ)レーザー,半導体レーザーにより5W,7Wを5秒間照射しその影響を検索した.CO2レーザーはfocus beamとdefocussed beamで,ヤグレーザーと半導体レーザーでは,内照射と外照射を行い,さらに組織内にインドシアニングリーン(ICGlmg/ml)を注入し,レーザー光を照射した.CO2レーザーは,炭化凝固の少ない良好な創が得られ,ICG注入により深達は阻止された.ヤグレーザーと半導体レーザーの内照射では,CO2レーザーに劣らない創が得られ,外照射ではヤグレーザーは深達度が強いものの,色素依存性がないためICG注入により深達度は低下し,反対に半導体レーザーでは増強した.痔核血管に対するレーザー光の吸収はヤグレーザーが最も強く,半導体レーザー>CO2レーザーで弱かった.痔核手術にレーザーを用いる場合,それぞれの特性を生かした手術方法を考案する必要があると考えられた.

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