58 巻 (2005) 6 号 p. 331-335
症例は82歳男性. 2mm年7月, 盲腸癌のため回盲部切除を受けた. 病理組織所見は2型, 大きさ35×40mm大で低分化腺癌 (stage IIIa) であった. 2004年2月の腹部CTおよび超音波検査で7cmの孤立性脾臓腫瘍を指摘され, 盲腸癌異時性脾臓転移の診断で3月9日に脾臓摘出術を施行した. 術後病理組織検査の結果では盲腸癌の転移と確認された. 術後経過は良好で3月20日に退院したが, 左上腹部の局所腹膜再発をきたし, 2004年12月24日に死亡した. 大腸癌の脾臓のみの転移は極めて稀である. 脾臓転移巣切除後もその他の臓器に再発をきたすことがあり, 一般的に予後は不良である. しかし, 諸家の報告では脾臓のみの孤立性脾臓転移である場合, 完全切除症例の中には長期生存例があり, 早期診断は勿論, 積極的切除と化学療法の併用が重要である.