日本大腸肛門病学会雑誌
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興味あるEUS像を呈した直腸カルチノイドの1例
阿部 公紀篠原 靖植田 健治片上 利生宮岡 正明望月 眞
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2005 年 58 巻 7 号 p. 392-396

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抄録

症例は61歳,男性.既往歴は高血圧,胃潰瘍および虫垂炎にて手術.家族歴は特記すべきことなし.2002年11月7日頃より上腹部痛が出現.同年12月3日に当センターを受診.上部消化管造影検査で胃角小弯にニッシェ,注腸検査でS状結腸と直腸にポリープが認められた.大腸内視鏡検査ではS状結腸と下行結腸にポリープ,直腸に直径11mm大の同色調で頂部に陥凹をともなう亜有茎性の隆起性病変が認められた.超音波内視鏡(以下,EUS)では辺縁整で内部にspotty high echo域をともなう低エコー腫瘤が粘膜下層にみられた.生検組織で確定診断が得られなかったため,診断・治療目的に内視鏡摘除術を施行し,直腸カルチノイドの診断を得た.EUSにて内部エコーレベルが高エコー域を示す部位は,組織学的に線維性間質の占める割合が腫瘍細胞より高かった.

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