2006 年 59 巻 3 号 p. 139-142
症例は,75歳男性.1995年7月,他院にて直腸癌に対し腹会陰式直腸切断術施行.ストーマの管理が困難となり近医を経由して2003年9月,ストーマ再造設目的にて紹介受診となった.粘膜移植と診断し,外来受診時に硝酸銀焼却処置を施行,並行して炭酸ガスレーザー治療を月に1回程度施行した。施行時は,出血,疼痛ともに軽微であった.炭酸ガスレーザー治療を10回施行した2004年9月の時点で,ストーマの周囲はほぼ平坦化しており,患者の愁訴も消失した.ストーマ周囲皮膚の高度な粘膜移植に対し,硝酸銀焼却と炭酸ガスレーザー治療との併用が有用であった.