日本大腸肛門病学会雑誌
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外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する直腸癌の術前MRI診断
石井 正之結縁 幸子山口 茂樹森田 浩文齊藤 修治大田 貢由森本 幸治奥本 龍夫橋本 雅彦
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2006 年 59 巻 7 号 p. 367-372

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抄録

外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する肛門管近傍の下部直腸癌症例を正確に診断することはIntersphincteric resectionの適応決定に重要である.今回われわれは直腸切断術症例の病理組織所見と術前MRI所見を対比し,外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する直腸癌の診断にMRIが有用であるか検討した.方法:直腸切断術を施行した26例を対象とした。病理組織学的に腫瘍先進部から外肛門括約筋内側縁までの距離を測定し,1mm以下の場合を外肛門括約筋近傍浸潤と定義した。MRIT2強調画像において外肛門括約筋浸潤に関する診断基準を定め,組織学的所見との対比を行った.結果:組織学的に外肛門括約筋近傍浸潤例は7例,括約筋内浸潤例は2例であった.MRIによる括約筋内浸潤あるいは近傍浸潤診断は感度89%,特異度82%であった,結語:MRIは外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する直腸癌の診断に有用である.

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