日本冠疾患学会雑誌
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症例報告
過換気症候群としてフォローされていた冠攣縮に伴う心筋梗塞の1例
鈴木 聡一郎粟屋 徹原 久男廣井 透雄
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2016 年 22 巻 3 号 p. 157-160

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抄録

症例は過換気発作の既往のある43歳女性.健康診断で心電図異常を指摘され他院施行の心臓超音波検査にて左室前壁から中隔の壁菲薄化と心室瘤を認め,精査目的で紹介入院となった.心臓MRI,心筋血流シンチグラフィーでは左前下行枝の陳旧性心筋梗塞の所見であった.冠動脈造影検査では冠動脈に有意狭窄を認めなかったが,アセチルコリン負荷試験陽性であり冠攣縮によって心筋梗塞をきたしたと考えられた.また本症例ではアセチルコリン負荷試験時に過換気発作を生じたこと,過換気発作時にニトログリセリンが奏効したという点から,過換気発作により冠攣縮症状が誘発されるというよりも,過換気発作が冠攣縮性狭心症の症状であると考えられた.

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© 2016 日本冠疾患学会
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