日本冠疾患学会雑誌
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原著
自動吻合器PAS-Portを使用したCABG患者の遠隔期成績
降矢 温一東上 震一畔栁 智司薦岡 成年榎本 匡秀小島 三郎若林 尚宏
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2017 年 23 巻 3 号 p. 146-149

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抄録

【目的】当施設での冠動脈バイパス術 (CABG) におけるPAS-Port (Cardica Inc, Redwood City, USA) の使用について,その使用状況と遠隔期成績を調査したので報告する.【対象と方法】2004年1月から2015年6月までの間に当施設で施行した,PAS-Portを使用した心拍動冠動脈バイパス術 (OPCAB) 226例,261本を対象とし,遠隔期生存率および脳心血管イベント (MACCE) 回避率を調査した.【結果】退院時造影検査では,評価可能であった228本の開存率は98.7%であった.遠隔期生存率は1年94.4%,5年81.7%,10年56.7%であった.MACCE回避率は1年94.8%,5年76.1%,10年59.2%であった.【結語】CABGにおいて,動脈硬化の進行によりPAS-Portを使用せざるを得ない症例でも,早期開存率,遠隔期生存率,MACCE回避率は良好であり,PAS-Portは妥当な手段と考える.

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© 2017 日本冠疾患学会
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