粒界性格制御によるオーステナイト系ステンレス鋼の腐食特性の改善

王 昀; 金田 潤也; 笠原 茂樹; 茂中 尚登

doi:10.3323/jcorr.61.359

論文

粒界性格制御によるオーステナイト系ステンレス鋼の腐食特性の改善

王昀, 金田潤也, 笠原茂樹, 茂中尚登

著者情報

キーワード: オーステナイト系ステンレス鋼, 粒界性格制御, 対応粒界, 粒界腐食, すきま腐食, 応力腐食割れ

ジャーナルフリー

2012 年 61 巻 9 号 p. 359-365

DOI https://doi.org/10.3323/jcorr.61.359

詳細

抄録

粒界性格を制御したオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lにおいて，Strauss試験，Coriou試験およびHuey試験を行い，低Σ対応粒界頻度の向上による粒界腐食の低減を確認した．また，γ線照射下ですきま腐食試験を実施した結果，制御材の粒界腐食発生数は，非制御材の1/10以下となり，粒界腐食深さも非制御材より短かった．高温高圧水環境におけるSCCの進展速度は，制御材が非制御材の1/2以下となった．以上の検討結果から，低Σ対応粒界頻度の増加により，材料の腐食特性の改善効果が確認された．

責任著者(Corresponding author)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）