著者らは,松江地区を対象に風向・風速の気象データから飛来塩分量を推定する手法を提案し,その有効性を確認した.本研究では,その手法を山陰地区に広げ,提案する手法の利用可能性を検討する.既設橋梁の桁下の飛来塩分量をガーゼ法により測定された2年間の飛来塩分量の結果と提案した推定手法を用いて推定した値を比較するために,対象橋梁近隣の気象観測所の風向・風速データの分析を行った.検討の結果,1年間の飛来塩分の観測値から,近隣の気象観測所の風向・風速データのみで飛来塩分量の推定がある程度可能であることを確認した.