2015 年 64 巻 9 号 p. 388-392
固体表面の原子・分子レベルの化学情報が得られるオージェ電子分光法(AES),X線光電子分光法(XPS),飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)は,固体表面がその特性に深くかかわる材料・デバイスの研究開発および品質保証などの故障解析に欠かせない分析手法として広く利用されている.本稿では,それぞれの手法の最近における分析性能の進歩のなかから,特に高感度化と微小化,イオン源の改善に伴う深さ方向分析の進歩を中心に,最新の分析装置の特徴を紹介するとともに,腐食・防食関連の応用事例を紹介する.