2015 年 64 巻 9 号 p. 401
最近,Fe不動態皮膜の破壊を種々の陰イオン溶液中における破壊までに要する時間tbdとX線光電子分光法を用いた不動態皮膜中への陰イオンの侵入を測定することで研究した.その結果を硬いおよび軟らかい酸塩基の法則(HSAB則)に基づいて検討した.以前の研究において,Cl-を含むホウ酸塩緩衝溶液中における不動態化Fe電極の孔食電位と再不動態化電位を測定した.ピット発生とピット成長に及ぼす添加したI-の影響を電子線プローブ微小分析法を用いHSAB則に基づいて考察した.本報では,以前の研究結果を最近の考察からより詳細に説明する.