含水率5.5 ppm, 30 ppm, 5000 ppmに制御した室温のEMI-TFSIイオン液体中でSUS304とSUS430LXのCVを行った.CV中に変化した皮膜をAESならびにTEM/EELSで解析した.CV後の不働態皮膜は,水溶液中で形成された皮膜と同様に主としてCrおよびFeの酸化物で構成されていた.CVサイクル数の増加に伴い,膜厚と皮膜中のCrカチオン分率が増大した.さらに,EMI-TFSI中の含水率が低いほど,よりCrが濃化し,より薄い皮膜を形成する傾向が認められた.これらの結果から,SUS304とSUS430LXは低含水率のEMI-TFSI中で耐食性を有すると考えられる.