日本教科教育学会誌
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ソルフェージュ教育に関する研究(2) : 音高教育 その1
三好 啓士
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1986 年 11 巻 2 号 p. 57-64

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抄録

普通教育における音楽科の授業はソルフェージュによって支えられるはずのものである。ソルフェージュは音楽の読み書きであり,内的聴感の育成であり,音楽構造の聴覚的把握力を養うなど音楽的認識力の発達をたすけるための教育方法である。そして,その認識力により更に音楽の深みへの到達を期待するものであるからソルフェージュは,まさに音楽教育の基盤となるはずのものである。ところが我国では,例えばハンガリーの音楽教育(コダーイ・システム)などのようにはソルフェージュは重要視され研究されているとは言いがたい。むしろ無機的なソルフェージュ訓練が生徒に苦痛をもたらすことさえある。その改善をめざして音楽への道となるようなソルフェージュ探求のための提案が本論の主旨であるが,その方法論の提示の前に,本論文ではソルフェージュすべき音楽の諸要素にかかわる原理として音高論とその教育論を中心に述べていくことにする。

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© 1986 日本教科教育学会
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