日本教科教育学会誌
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工業高校における生徒のセンスと授業及び進路に対する意識との関連性
逸見 正上之園 哲也森山 潤
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2012 年 34 巻 4 号 p. 59-67

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抄録

本研究の目的は,工業高校における生徒のセンスと専門科目の授業及び進路に対する意識との関連性を把握することである。筆者らは前報において教師を対象に,工業科の授業における生徒のセンスに対する教師の捉え方を調査し,その構成因子として「熟慮性」,「探究性」,「適応性」,「主体性」,「独自性」の5因子を抽出した(逸見・森山,2011)。本研究ではこれらの5因子に基づいて質問項目を生徒向けに改変し,工業高校生計512名を対象とした調査を実施した。確認的因子分析の結果,これら5因子からなる計15項目の尺度において高い適合度が得られた。これらの15項目を用いて進路に対する意識との関連性を検討したところ,専門性を生かした進路を希望する生徒の方がセンスに対する自己評価が有意に高くなる傾向が示された。また,工業科の授業に対して「好き」「得意」など肯定的な意識を持つ生徒の方がセンスに対する自己評価が有意に高くなる傾向が示された。

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