2015 年 37 巻 4 号 p. 25-36
本研究は,対話的な理科授業における教師の足場づくり(scaffolding)について,教室談話からその機能を分析した。足場づくりは,Vygotsky が提起した発達の最近接領域(zone ofproximal development)を形成する為に,Wood らにより他者との相互行為によって上位概念への到達を促す機能として考案された概念である。Wood らが提起した六つの機能を,教師の発話を分析する枠組みとして参照することで,授業における教師の足場づくりについて調査を実施した。その結果,教師は,子どもとの対話を媒介として即応的に足場づくりの六つの機能を活用しながら科学概念構築を図っていることが明らかとなった。