抄録
本研究の目的は,ソフトバレーボールにおいて,連係プレーの成立と型に応じた技能の基礎を習得するために,キャッチングレシーブとホールディングトスを用いることの有効性を明らかにすることである。対象は5年生で,ゲームは3人制で行った。その結果,レシーバーはキャッチングレシーブしたボールをセッター頭上にパスを送ることができるようになるとともに,セッターはホールディングトスによって安定したトスを上げることができるようになった。そのため,アタッカーのアタック成功率が80%を超えていた。このことは,キャッチングレシーブとホールディングトスにより,自陣コート内で安定したボール操作ができ,組み立てが崩れることがないことからできたものである。また,ボール操作の制限を緩和したことは,連係プレーによる攻撃の組み立てだけでなく,型に応じた技能の基礎やその準備動作習得のために有効な方法であった。