抄録
前号に続き本号では,「書く言語活動」としてWebster, Third New International Dictionaryの"write"及び改定指導要領の「書く」ことの目標から1. Copying・spelling, 2. Dictation, 3. Compositionを取り上げる。Copying・spelling, dictationでは,発展した書く言語活動の基礎として重要なこれら2分野の学習活動が,現行指導要領で軽く取り扱われていることもあって,現在では教師の工夫に一任され,ともすると軽視,無視されている実態の非を突く。Compositionでは語及び文の実際についてrecognitionレベル,productionレベルをそれぞれ把握し一応の到達目標を作り,その実際化に迫るための具体例を提案するものである。そして最後に,こうした現実を踏まえつつ学校教育において最終的に英語教育がなすべきこと,可能なことは何かということを,「学校教育における英語教育の特殊性と言語活動」で考察する。