日本結晶学会誌
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エラータ
エラータ:クリスタリット
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2021 年 63 巻 3 号 p. Erratum3

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抄録

お詫びと訂正

本誌59巻2・3号掲載のクリスタリット「電子線三次元結晶構造解析」(Vol.59 No.2・3 p.128)について, 本文を以下のとおり訂正いたします.

誤:分子が三次元に並んだ薄い結晶から,電子線回折パターンを測定,結晶構造を解析する技術.先に確立したタンパク質の電子線二次元結晶構造解析では,分子が一層にのみ並んだ二次元の結晶を対象とする.二次元結晶からの回折は繰り返しのない方向に連続的な格子線となるのに対して,三次元結晶ではすべての方向に離散的に分布する回折点となる.したがって,その回折点の強度情報をもれなく取得するためには,試料を回転させながら回折パターンを記録する回転測定や,ある角度ごとに,静止パターンや電子線を傾けたプレセッションパターンを撮影することが必要になる.電子線はX線に比べて4~5乗も強く物質と相互作用するため,X線結晶構造解析に適さない微小で薄い単結晶が使用できる.反対に,主に軽い元素からなるタンパク質の結晶でも,厚さ200~300 nmを超えるものからの解析は難しくなる.電子線の原子の散乱特性からは,電荷分布に関する情報が得られる.

正:分子が三次元に並んだ薄い結晶から,電子回折パターンを測定,結晶構造を解析する技術.先に確立したタンパク質の電子線二次元結晶構造解析では,分子が一層にのみ並んだ二次元の結晶を対象とする.二次元結晶からの回折は繰り返しのない方向に連続的な格子線となるのに対して,三次元結晶ではすべての方向に離散的に分布する回折点となる.したがって,その回折点の強度情報をもれなく取得するためには,試料を回転させながら回折パターンを記録する回転測定や,ある角度ごとに,静止パターンや電子線を傾けプリセッションパターンを撮影することが必要になる.電子はX線に比べて4~5乗も強く物質と相互作用するため,X線結晶構造解析に適さない微小で薄い単結晶が使用できる.反対に,主に軽い元素からなるタンパク質の結晶でも,厚さ数百nmを超えるものからの解析は難しくなる.電子の散乱特性からは,電荷に関する情報が得られる.

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