低アミロース米品種「たきたて」では, 胚乳のアミロース含量や白濁程度などの品質変動が流通上の問題となっている. そこで, 品質安定化の指針にするために2003年に栽培した試料のアミロース含量や水分含量と, 精米白度との関係を検討した. 宮城県内10地点, のべ165点の平均アミロース含量は低温年のため, 12.4%と高かった. 15%前後の水分含量ではアミロース含量が変化すると白度が変化したが, より乾燥が進んだ14%以下の場合ではアミロース含量に係わらず白濁する傾向が高かった. また, アミロース含量がほぼ一定の場合では, 水分含量と白度の間に負の相関が認められた. これらの結果は, 白度はアミロース含量ばかりでなく水分含量にも大きく影響されること, そして米の水分含量の調整の徹底を図ることで, 栽培年度内の白度(品質)の変動を少なくすることができることを示している.