日本作物学会紀事
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作物生理・細胞工学
高土壌窒素条件下におけるダイズ窒素固定量および窒素固定寄与率の品種間差異
野原 努中山 則和中村 卓司高橋 幹丸山 幸夫有原 丈二島田 信二
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2006 年 75 巻 3 号 p. 350-359

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抄録

高土壌窒素条件下におけるダイズの窒素固定能の品種間差異を解析するため, 普通ダイズ6品種, 根粒超着生品種および根粒非着生系統の合計8品種・系統を肥沃な普通畑圃場(101 kg-NO3 ha-1)で栽培し, 各生育時期における窒素集積量と出液中の相対ウレイド値から窒素固定量を推定した. また, これらの値から算出される各品種の全生育期間における窒素固定寄与率(RU-%Ndfa)を比較した. 根粒超着生品種作系4号の窒素固定量は供試品種・系統の中で最も多く, アメリカ品種WilliamsおよびLeeの窒素固定量はいずれの時期も同熟期の日本品種よりも少なかった. 特に, アメリカ品種は生育中期以降の窒素固定量が少なく, その期間の窒素固定量と生育中期の根粒重との間には高い正の相関関係が認められた. RU-%Ndfa15N自然存在比から算出した窒素固定寄与率(δ15N-%Ndfa)との間には密接な正の相関関係が認められた. 作系4号のRU-%Ndfaは他の普通品種に比べて著しく高く, WilliamsおよびLeeのRU-%Ndfaはそれぞれ同熟期の日本品種に比べて低い傾向が認められた. 以上のことから, 高土壌窒素条件下では, Williams, Leeは同熟期の日本品種より窒素固定量が少なく, 窒素固定寄与率が低いことが明らかとなり, この品種間差異には生育中期までの根粒着生能が影響していると推察された.

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© 2006 日本作物学会
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