日本作物学会紀事
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レーザーマイクロダイセクション法
高橋 宏和中園 幹生
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2006 年 75 巻 4 号 p. 583-585

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抄録

高等植物は機能の異なる数十種類の細胞より構成されている.個々の細胞・組織の役割について理解するためには,それらの細胞・組織を純粋に単離して,DNA, RNA,タンパク質,代謝産物等を抽出し,解析する必要がある.しかし,これまでの遺伝子発現解析などの研究は,主に葉,根,茎,花といった器官レベルで行われてきた.器官レベルの解析では,特定の細胞・組織で機能する遺伝子を見逃す可能性があったが,近年,標的細胞・組織のみを単離することができるレーザーマイクロダイセクションの植物への適用が実現したことにより,細胞・組織レベルでの精度の高い遺伝子発現解析が可能となった.本稿では,このレーザーマイクロダイセクション法の概略について紹介する.

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© 2006 日本作物学会
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