7種類の植物ホルモンをオオムギに葉面散布し, 葉身における褐色雪腐病拡大抵抗性に及ぼす影響を調査した. 散布した植物ホルモンはアブシジン酸(ABA), サリチル酸(SA), ジャスモン酸, エチレン発生剤のエテホン, ジベレリン(GA3), オーキシン(ナフタレン酢酸)及びサイトカイニン(ベンジルアデニン)である. ABA, SAに抵抗性を増加させる効果が認められたが, 他の植物ホルモンでは抵抗性を増加させる効果は認められなかった. ABA及びSAの散布直前に, 病害抵抗性に関与していると考えられるフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)の阻害剤アミノオキシ酢酸を散布した場合, ABA及びSAの効果は認められなくなった. この結果からABA, SAによる抵抗性の増加はPALと関係していることが示唆された.