水稲の登熟期間の日射量および湿度が玄米品質,特に背白米の発生に及ぼす影響について解析するため,水田において遮光処理を,人工気象室において高温条件下で日射量および湿度を変えて試験を行った.その結果,背白米は高温条件で多発したが,遮光処理によって減少し,逆に乳白米の増加傾向が認められた.高温条件下で,日射量が多いほど,また,湿度が高いほど背白米が多く発生した.高温条件下における穂の表面温度は,湿度が高いほど,また,日射量が多いほど高い値を示し,背白米の発生割合とほぼ同様の傾向を示した.以上のことから,同じ高温条件下でも日射量や湿度条件の違いで背白米の発生割合が異なり,穂の表面温度の影響が大きく,気温以外に日射量と湿度が密接に関係していることが示唆された.一方,乳白米の発生は高温よりむしろ低日射の影響が大きく,さらに籾数が多い場合に助長されることが示唆された.