日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
北陸地域で疎植栽培した水稲品種「北陸193号」の生育および収量特性
古畑 昌巳
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2013 年 82 巻 1 号 p. 69-75

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抄録

北陸地域において「北陸193号」の疎植栽培を確立することを目的として,2009~2011年の3ヶ年にわたって,早期 (4月末~5月初め) および標準時期 (5月中下旬) に1株植えつけ本数を減らす,または株間を広げて疎植栽培した「北陸193号」の生育,収量および収量構成要素について調査を行った.疎植区は,標準区に比べて,茎数が少なく,LAIが小さく推移する傾向を示した.また,疎植条件において早期移植は,標準時期移植に比べて生育量は小さく推移したが,籾わら比が高まった結果,収量は同程度となった.疎植栽培での収量は,個体密度の低下に伴って減収傾向を示したが,同程度の個体密度であれば,1株植え付け本数を減らした疎植区は株間を広げた疎植区に比べて減収程度は小さいことが示唆された.

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© 2013 日本作物学会
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