日本作物学会紀事
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栽培
寒冷地における気温日較差が湛水直播水稲の出芽・苗立ちに及ぼす影響
-低温条件下で異なるコーティング種子を用いた解析-
古畑 昌巳原 嘉隆
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2014 年 83 巻 3 号 p. 210-215

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抄録

前報では,催芽種子と恒温器を利用して,異なる気温,気温日較差条件で湛水直播水稲の出芽・苗立ちを調査した結果,気温日較差の影響は,播種後低温条件が播種後高温条件に比べて大きいこと,播種後低温条件では,気温日較差が大きい区は気温日較差が小さい区に比べて生育量が大きくなることを明らかにした.本研究では,過酸化カルシウムコーティング種子,鉄コーティング種子,無コーティング種子を供試して試験を行った結果,過酸化カルシウムコーティング種子は,鉄コーティング種子と無コーティング種子に比べて出芽・苗立ちが優れ,気温日較差の影響が小さいことが明らかとなった.また,播種後低温条件では,平均気温が同じであっても気温日較差が大きい区は,気温日較差が小さい区に比べて出芽・苗立ちが早まって出芽・苗立ち率が向上するとともに生育量を確保しやすいこと,出芽時における出芽率の実測値とアレニウス式 (温度依存反応式) による推定値はほぼ同様の推移を示すことが,供試したすべてのコーティング種子で確認された.

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© 2014 日本作物学会
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