愛媛県のハダカムギ主要3品種(マンネンボシ,ハルヒメボシ,ヒノデハダカ)について,10月下旬の早播きと12月中旬の晩播きの場合における収量と品質の特徴について検討した.早播きは短日条件であるため,播種~出穂期の生育日数が長く初期生育が旺盛となり,全粒数の増加を通じて多収を得やすい反面,暖冬年には過繁茂の害が,晩霜年には凍霜害が発生し,穂数や1穂粒数が減少した.なかでもヒノデハダカやハルヒメボシでこの傾向は強かった.また開花期の葉中全窒素含有量の増加は,硝子率の上昇と精麦白度の低下をもたらした.一方,晩播きは長日条件であるため,播種~出穂期の生育日数が短く全粒数が減少し,低収となりやすく,低温年や厳冬・暖春年ではその傾向が強まった.また玄麦タンパク質含有率や硝子率の上昇,および精麦白度の低下に加え,登熟期の降雨害による容積重や等級の低下をもたらした.