抄録
黄色種H-2を供試し, 日長反応におよぼす温度の影響を調べた. 1) 低温 (10~15℃) 下では, 花芽分化が促され着葉数少なく, 日長の影響は明らかでなかつた. 比較的温度の高い (20~27℃) 条件下で日長反応は明瞭となつた. また終夜照明下でも開花し, 本品種は quantitative short-day plant と言える. 2) とくに明期の低温は花芽分化を促し, 着葉数を減少させた. 12時間日長の場合, 最も低温に敏感なのは暗期直前の数時間で, 最も鈍感な時期は明期開始後3~7時間目頃であつた. 3) 暗期の低温 (10℃以下) は12時間以下の日長条件下では花芽分化を抑制し, 16時間以上の日長条件下では花芽分化を促した. 12時間日長の場合, 暗期の後期に与えた低温ほど花成抑制効果が強く, 着葉数が多くなる傾向がみられたが, 8時間日長下ではその時期的差異は明らかでなかつた.