多収性大豆品種の特性について, 特に乾物分配効率に関して検討している一連の試験の一つである. 葉, 葉柄および莢を支える茎と, それらを支える根の2形質を取り上げ, 多数品種の根と茎の乾物重を測定し, 根重に対する茎重の比(茎根重比)の品種間差および茎根重比と諸形質の関係について検討した. その結果, 以下のことが明かになった. (1)茎根重比は茎重や根重より安定した形質である(第2表, 第3表). (2)茎根重比はその比の高い品種の値が低い品種の値の2倍以上あり, 比に品種間差が認められる(第1表, 第2表, 第5表). (3)茎根重比は生育日数および収量と正の相関関係にあるが, 収量の場合, 熟期の早晩性の影響を除くと, 早生種においては相関関係が認められない(第4表, 第5表). (4)近年の育成品種の多くは茎重および根重がともに大きくなっているが, 根重増加に比べて茎重増加が少なく, 相対的に茎根重比は小さくなっている(第6表, 第2図). 今後の一層の多収化には, 特に茎が太く多分枝になる品種の育種技術および栽培技術の検討が重要である.