日本作物学会紀事
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水稲有機農法実施年数と米のアミログラム特性値およびミネラル含量との関係
玉置 雅彦吉松 敬祐堀野 俊郎
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1995 年 64 巻 4 号 p. 677-681

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抄録

水稲有機農法(無化学肥料, 稲わら還元)実施後1年目から16年目までの米のアミログラム特性値と, 窒素およびミネラル含量を測定した. 米粉の最高粘度とブレークダウン値は, 有機農法実施年数の増加にともない増加した. 窒素およびミネラル含量は, 有機農法実施後1年目では慣行農法の結果と大差なかった. しかしながら, 実施年数の増加にともないN, P, K含量は減少しMg含量は微増した. これら成分含量の増減傾向は, 実施後5年目頃までの変化が大きかった. 食味指標としてふさわしいと考えられたMg/K比と最高粘度およびブレークダウン値との間には, 有意な相関が得られた. 以上のことから有機農法実施年数の増加にともない, 物性面ではデンプンの粘りの向上により, 成分面からみると, Mg含量の微増とK含量の減少とが関与するMg/K比の増加により, 食味は向上することが示唆された.

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