日本作物学会紀事
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バレイショにおける葉の拡散抵抗の日変化, 生育に伴う推移ならびに葉の表裏面間および葉位間の差異
川嶋 浩樹岩間 和人金子 正正木 庸子中世古 公男
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1997 年 66 巻 2 号 p. 235-241

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抄録
水分ストレスがバレイショの生育と収量に及ぼす影響を明らかにする研究の一環として, 葉の拡散抵抗の日変化, 生育に伴う推移ならびに葉の表裏面間および葉位間の差異を圃場条件下で調査した. 拡散抵抗の日変化では, 午前中は低く, 午後になると増加し,タ方に最大となる推移を示した. また, 拡散抵抗は葉の表面と裏面では異なり, 一日中および生育期間を通じて, 裏面より表面の方が平均で約2~5倍ほど高い値を示した. さらに, 拡散抵抗は個体の生育が進むに伴い増加し, 同一の時期では上位の葉ほど低い値を示した. しかし, 降水後の土壌水分が十分な条件下では生育の後期でも拡散抵抗は低い値を示し, また低温年には高温年に比べ拡散抵抗が低く推移した. 以上のことから, 北海道のような寒冷地でも晴天日の午後にはバレイショに水分ストレスが起こっており, その程度は葉のエイジング, 気温および土壌水分条件により変化するものと推察した.
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