日本色彩学会誌
Online ISSN : 2189-552X
Print ISSN : 0389-9357
ISSN-L : 0389-9357
日本色彩学会第50回全国大会[東京]ʼ19 発表論文集
少数色覚者(赤緑色弱)の美的感覚
市原 恭代坂本  隆
著者情報
キーワード: 色覚, 2色覚, Protan, Deutan, 美的感覚
ジャーナル フリー

2019 年 43 巻 3+ 号 p. 214-

詳細
抄録

少数派色覚者は一般色覚者(石原表をパスする者)と色の見え方が異なる.そのため,一般色覚者が「美しい」と感じるものが理解できないという事例は多々起きる.しかし,少数派色覚者が描いた絵を一般色覚者が「美しい」と感じることもある.このように,一般色覚者と色の見え方は大きく異なるものの少数派色覚者には,彼ら独自の美的感覚があると予想される.

一方,画像や色見本を見て受ける印象には,構成色,配置形式,構図や面積比,描かれているもの等の要因が影響を与えると言われている.

須藤らは配置形式,構成色,面積比に着目しつつ4色配色における色面構成の類似性の要素の考察において,配置形式,構成色,面積比の3要因が色面構成の印象や類似性に与える影響が大きいとしている.これらの研究結果から配置形式,構成色,面積比が印象に影響を与える要因であると示唆されている.しかし,上記の実験は一般色覚者のみの結果であり,少数派色覚者においても同様の結果が得られるかは考えられていない.そこで本研究では,これらの研究を参考に4色配色によるデザイン作成を行い,配置形式,構成色,面積比の3要素に着目して分析を実施した.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 日本色彩学会
前の記事 次の記事
feedback
Top