水稲栽培における深水管理は、従来から生育の抑制あるいは冷害の回避を目的に行われてきた。しかし、近年では深水管理が有効茎歩合と1穂頴花数を高め、増収効果のあることも報告されている。また、最高分げつ期頃の深水処理は生育を抑制して有効茎歩合を高めるが、稈強度への貢献は少なく、また、節間伸長期の深水処理は、特定節間の著しい伸長を引き起こすとともに、稈強度も著しく低下することも報告されている。一方、幼穂分化期の追肥を与えることによって茎を太くし、1穂頴花数を増やす施肥法も考えられている。本実験は3品種を用いて、深水処理と施肥条件の組合わせが節間の伸長と肥大および挫折重に及ぼす影響を明らかにすることを目的として実施した。