日本交通科学学会誌
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第50回日本交通科学学会総会・学術講演会に関連した「視認性に優れた緊急自動車にするための検討会」からの報告
中村 俊介吉沢 彰洋山下 智幸三林 洋介一杉 正仁有賀 徹
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キーワード: 反射板, 緊急自動車, 視認性
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2015 年 14 巻 3 号 p. 47-51

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抄録

救急車等の緊急自動車については、その存在を視覚的に訴える方法は赤色灯が主たるものであり、補完的な手段は少ない。そのため灯火類を失うと視認性が低下し、夜間の活動時に事故に遭遇する危険がある。視認性を高めるために再帰反射材を用いることは有用であるが、道路運送車両の保安基準に抵触するため、車体へ貼付することはできない。さらに通常の反射材についても、道路運送車両の保安基準およびその細目を定める告示において、①他の交通の妨げとなるおそれのあるものは備えてはならない、②反射光の色が赤色である反射器を前方に表示するもの、また③反射光の色が白色である反射器を後方に表示するものを備えてはならない、という規定がある。しかし一方で、これに従うものであれば車両に反射材を貼付する法的制限はない。輝度の点から再帰反射材は視認性に優れているが、最近の反射材は再帰性が高いという現状がある。また、光源を持つ自動車等からの視認性については再帰反射材が優れているが、光源を持たない歩行者等からの視認性を考慮すると、再帰性の反射のみでない反射材は有用である。再帰反射材としての指定基準を満たさないものの「再帰性に富んだ反射材」を上記の規定に従って使用することは、現行法規に抵触することなく、緊急自動車の視認性の向上に有用である。緊急自動車を使用して活動する救急隊員および医師、看護師、搬送される患者らの安全を確保し、二次災害を予防するためにも、容易な視認性(conspicuity)は重要であり、再帰性に富んだ反射材を使用するべきであると考える。

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© 2015 一般社団法人 日本交通科学学会
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