2016 年 104 巻 p. 19-26
慶應義塾大学アート・センターが所蔵する1960-70年代の日本の前衛芸術に関わる資料体とその研究活用の状況を「共同性」「領域横断性」に焦点を当て紹介した上で、アーカイヴにおいて近年重要性を増しているレファレンス活動について論じる。単なる業務記録の共有ではなく、レファレンス活動の成果を研究領域全体の成果として公共化することを目指し、図書館における先行例である「レファレンス協同データベース」の活動を参照しながら「研究来歴(Research Provenance)」としてのレファレンス事例の共有化の試みおよびその課題について検討を行う。