2024 年 126 巻 論文ID: 2169
九州大学附属図書館は,2022年11月末に,EBSCO FOLIO ERMを国内で初めて導入した。本稿では,当該サービスの構成と導入までの経緯,移行作業,実際の運用,導入による利点と今後の課題について紹介する。導入の判断にあたっては,当館の既存システムの実情との適合性,操作性,将来の発展性,経済性を重視した。導入による利点は,操作性の向上,ディスカバリーサービスとの連携の容易化,ベンダーとの連携の円滑化である。課題としては,インターフェースの安定性,MARCデータの出力精度,言語障壁の高さ,FOLIOコミュニティへの関与のあり方が挙げられる。