2000 年 58 巻 p. 38-50
マルチメディア型のネットワーク情報社会の到来により,図書館サービスや業務もそのあり方を大きく変えつつある。レファレンス・サービスも例外ではない。学術情報センターによる全国レベルの図書館業務共通支援システムとしては,目録業務にはNACSIS-CATが,ILL業務にはNACSIS-ILLが,利用者用システムとしてはNACSIS-IRやNACSIS-ELSがある。しかしレファレンス業務には,そのようなシステムはない。そこで九州地区国立大学図書館協議会電子化推進連絡会議のもとに平成10年11月に設置された「レファレンス事例データベース検討WG」では,「(共同構築版)事例データベース-プロトタイプ版-」を試作した。この事例データベースは,レファレンス業務共通支援システム(全体システム)のサブシステムをなすものであり,全体システムは今後,学術情報センター(平成12年4月以降,国立情報学研究所)等の協力を得ながら大学図書館界全体で構築していく必要がある。